「ウイルスシャーク」 感想 サメの波動を感じよ

概要

原題:Virus Shark

製作:2021年アメリカ

配信:ニコ生ホラー百物語&コンマビジョン

監督:マーク・ポロニア

出演:ケン・ヴァン・サント/ダニエル・ドナヒュー/ジェイミー・モーガン/ナタリー・ヒムルバーガー/タイタス・ヒムルバーガー/マーク・ポロニア


サメが媒介する脅威の殺人ゾンビ的ウイルス「SHVID-1」の感染によって地球は荒廃。一部の科学者は海底の研究施設で日夜治療法の研究に勤しんでいた。だが、ついに作り出した血清を巡って研究者同士の争いが勃発。施設は崩壊し、飼っていたサメも逃げ出してしまう。


予告編


感想



昨年末にどっかで限定上映された、マーク・ポロニア大先生のファッキンシャークムービー。

ニコ生ホラー百物語で「ナノシャーク」から続けて鑑賞しました。



ナノシャはブレット・ケリー監督としてはかなり上振れしたデキの作品でしたが、こっちは完全に通常営業のポロニアクオリティ。朝っぱらだったせいもありニコ生でのコメントが非常に少なく、私も他の視聴者もほとんど白目をむいていたものと思われます。



それでもパンダザウルスのような難解さが控えめな分、普通に楽しめるという向きもあったようです。が、どちらにせよ常人は失神するので記憶が飛び飛びになってしまう。私はブログのためにちょいちょいメモしながら見てましたが、メモを見返しても何が何だかさっぱり分からない。この白昼夢のような曖昧さこそポロニアの味と言えるでしょう。



内容的にはコロナ禍の時期に製作された作品ということで「SHVID-1」なるそのまんまなネーミングのサメウイルスがどうのこうの、「サメの波動を感じる」(サ波感)研究者だの、プールでバシャバシャしているサメを見て「バシャバシャーク」といったしょうもないにもほどがあるジョークをかますだの、毎度ながら異常にハイコンテクストなZ級クソサメ映画となっております。



海底施設で飼われているサメの研究、その成果を巡っての銃撃戦などはどことなく「ディープ・ブルー」を彷彿とさせなくもない雰囲気。銃撃戦の合間にエレベーターを上から撮ったりするなど、ハリウッド映画のようにかっこよく見せようというポロニアの心意気を感じなくもない。




全部サメのせいで世界崩壊したのに後半になるとサメのことは忘れ去られてしまい、何だかゾンビアポカリプス映画のようなノリに転調。「力」という目立つイレズミを入れた汚いオッサンや、ジョジョという名の奇妙なバアさんなどキャラクターだけは結構濃い目です。



襲ってくるバケモノも一応ただのゾンビではなく、ハロウィンの仮装行列からお菓子で釣ったのを3人ほど引っ張ってきたようなクオリティで悪くなくもない。主人公のピンチに颯爽と現れて助けてくれるポロニア大先生もステキ。



このように、本作は一粒で二度不味いというなかなかお得な味変Z級クソサメアポカリプス映画とも言えます。そのせいか尺もポロニアにしては若干長めだった気がする。おそらく配信レンタルもソフト化もしないと思われるので、もし見る機会があったら逃さない方がいいですよ~とだけ言っておきます。




「ウイルスシャーク」(Amazon)

↑輸入盤DVD。なぜかちょっと高い。




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