「ミイラ 復活」 感想 そもそもミイラじゃない件

概要

原題:The Mummy:Resurrection

製作:2022年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:スティーヴ・ローソン

出演:クリス・ベル/マーカス・ラングフォード/メルヴィン・ローリンソン


トレジャーハンター・ランドルフ博士は自分の死期を悟り、遺産相続のため親族の男ふたりを呼び寄せる。そのうちひとりはマフィアに金を借りており、すぐに返さないと命を奪われる境遇だった。だが、博士が持っていたのはピラミッドで発見した4000年前の呪われた黄金の棺のみであった。彼らはそれを金にすることはできるのか…


予告編

感想



いつになくやる気の感じられないやっつけ邦題な謎映画。

まあ直訳と言えば直訳だけども。

字幕も何だかテキトーで


「わたしの部下がやりたい邦題した」


だの


「彼の父親はギャンプラーで」


だのとミスりまくり。


本編自体も激安かつツッコミどころ満載っていうかミイラなんて出てこないし、誰がどう見ても擁護しようのない高純度のクソ映画でした。

それでもU-nextで399円したがな!




ただ、これはクソはクソでも面白いクソ映画です。


舞台は20世紀初頭のロンドン。

有名なトレジャーハンターの遺産を相続にやってきたふたりの男、エヴェレットとアーチー。だが、遺産はエジプトのピラミッドから発掘した4000年前の呪われた黄金の棺だけ。それに触れるとミイラの呪いによって死んでしまうという…。



エヴェレットは借金まみれなのでそれをどうしてもカネに替えたい。アーチーは心臓蘇生の研究者であり、ミイラを蘇生させれば金儲けに使えるのではないかと企むが…という話。



この時点ですでに色々おかしいですね。20世紀初頭とはいえただの一個人がピラミッドを盗掘して棺を自宅へ持ってくるとか、それしか遺産がないのにわざわざ相続に親族を呼びつけるとか(アーチーは自宅をもらえたが)、相続も何も触ると死ぬからレンガで埋めろとか。エヴェレットの取り分が何もない。



ただ、「触ると死ぬ棺」に対して安易に呪いの仕業でヨシとせず、科学的なアプローチで迫ろうとする展開はなかなか良いです。いかにもオカルトホラーチックな雰囲気は醸しているものの、実は本作には呪いだなんてスーパーナチュラルな要素は一切ないんですよ。その方向性は私好みでした。



まあ、その科学がトンデモ科学ってレベルじゃねえという領域なのでクソ映画になってしまっているわけですが。なんせ4000年前の遺体が収められた棺なのに、それに輸血してアドレナリンをぶち込んで生き返らせようって話なんですから。



しかもいざ棺を開けたらカサカサのミイラではなく死後数時間ですか?っていうプリプリの遺体が出てくるからたまらない。「ミイラ 復活」も何もミイラではないという驚愕の斜め上展開に眠気もサメます。



その辺の女性を捕まえてきて血液を抜き取り、エセミイラにぶち込む!

血液型なんてガン無視だ!

ついでに婚約者から抜き取ったとれたて新鮮アドレナリンもぶち込む!

ネズミでうまくいったんだから古代エジプト人も余裕だぜ!



そこからのクライマックス


「君に言いかけたんだが、彼女は***だった」


にはもう笑うしかない。

果たして彼女はどんな種類の古代エジプト人だったのか?

驚愕の正体はぜひ399円払って確かめてみてください。








「アメリカン・マミー アステカの生贄」(Amazon Prime Video)

本作はアマプラではまだ配信されてないのでテキトーな類似作でも貼っておきます。


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