「シン・デレラ」 感想 本当は怖いデレラ

概要

原題:Cinderella's Curse

製作:2024年イギリス

配給:ハーク/SDP

監督:ルイーザ・ウォーレン

出演:ケリー・ライアン・サンソン/クリッシー・ウンナ/ダニエル・スコット/ローレン・バッド/ナターシャ・トシーニ/サム・バレット






予告編



感想



itn & ルイーザ・ウォーレン監督というクソ映画界の最凶タッグが贈る、著作権が切れた童話やら何やらを安易にホラー映画化して荒稼ぎを企む冒涜的ユニバース最新作。


平日の朝っぱらから札幌シネマフロンティアで鑑賞して参りました。


無駄にでかいスクリーンだったけど観客は私を含めてたったの4人。大丈夫かこれ。




継母と義理の姉たちにとんでもなく陰惨な虐待を受けていた娘エラは、ある日庭で謎の魔導書を発見する。それを読んだエラの前に「フェアリー・ゴッドマザー」が現れ、彼女は舞踏会で王子様と踊りたいと願う。だが、王子と義理の姉たちは想像を絶するクソ虫野郎共だった。



という感じの内容ですが、冒頭のわかりにくさを除けばあの itn & ルイーザ・ウォーレン監督とは思えないほど非常に出来が良く、驚くべきことにそこそこ普通に楽しむことが可能になっています。これは雑巾の搾り汁を飲みに来たつもりが焼き肉の搾り汁だったくらいのポジティブサプライズと言っても過言ではない。



念願かなって舞踏会で王子様と踊ることが出来たエラだったが、全ては残酷な虐めの一環だった。「お前なに勘違いしてんの~?」からの罵倒嘲笑とリンチを喰らい、エラはシン・デレラに覚醒。デレラってなんだよ。この辺は魔導書がパズルボックスとかベヘリットのような役割を果たしたように見えるし、出てきた魔女たちはセノバイト的なノリだし、ブチ切れたエラはキャリーのように見える。ただでさえ童話という下敷きがあるのに、さらに別作品のオマージュ・パロディで上塗りしているのはいかがなものかとは思います。



が、本当にどうしようもない腐れゴミカスZ級映画ばかり作っていたあのルイーザ・ウォーレン監督がここまでの盛り上がりを演出できるのがそれ以上に驚きでした。逆に今まで何してたんですか。



前半で見せつけられた王子と継母たちの悪辣さが度を越していたので、覚醒したシン・デレラのゴアなリベンジっぷりが素直にキモチイイ。ガラスの靴に足が入らないの? じゃあ足をチョキチョキ小さくしちゃいましょうね~のくだりなど最高にスッキリできます。どうせなら両足やっても良かった。しかしそれ以降はガラスの靴で殴打してばかりでやや痛みが足りないように感じたので、偏執狂的に全員の足指をカットしていった方が良かったのではないかと思います。



ひとつ気になったのは、継母に監禁されたメイドの息子を探しもせず放置して終わったことですかね。エラさんもメイドさんの死に際に「絶対に守るから!」って約束してたじゃないですか。あれだけ色々あったら忘れてもしょうがない…か?





「サベージ・ウォリアー ヴァイキングVSクランプス」(Amazon Prime Video)

↑ルイーザ・ウォーレン監督の過去作が気になるなら。




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