「ミスティカル・アドベンチャー」 感想 デビル・オブ・ザ・ツボ と純粋な生き物

概要

原題:Mystikal

製作:2010年スペイン

発売:彩プロ

監督:アンヘル・アロンソ

出演:イバン・ガレーテ/サヴィトリ・チェバロス/マイーテ・アギレ


高名な魔法使いモルカーの弟子であるエルディンは、ある日自宅にあった悪魔を封じられたツボを開けられてしまう。悪魔を封じたツボはこの世界にあと2つ存在し、全ての封印が解けると地獄の門が開いてしまうという。エルディンは世界を守るため、妖精フィラと共に残りのツボを探す旅に出る。


予告編

感想









阿部さんのイチオシ物件ということで、ビクビクしながら鑑賞してみました。

珠玉のファンタジー・アベドンチャー!というわけですね。



内容は見習い魔法使いが強大な悪魔の復活を阻止するため旅に出るというコテコテの王道ファンタジー。



結構古い作品ですが、現在ゲオネットレンタルでなんと0円レンタル中となっております。






配信ならともかく円盤を0円でレンタルとは…

客寄せパンダになるのか?これ




背景とか人間以外の種族はフルCGで描かれており、映像のクオリティは高めでかなりコストがかかっているように見えます。ただ、うちの回線が悪いのか元々のDVDの品質が悪いのか画質がやけに荒く、ファンタジー世界とスペイン語の微妙な似合わなさと相まって90年代頃のわけわからん洋クソゲーみたいな雰囲気になってしまっています。顔はいい大人なのに幼く高い声でしゃべり、直立姿勢でホバリングしている妖精が特にアレ。



それ以外は幻想的な映像にシンプルなストーリー。わかりやすくてお子様でも安心して楽しめる?…はずが、なぜか内容が入ってきにくい。お使い移動イベントの連続でこれといった山場がないからでしょうか。



エルディンが地図をうっかり紛失し、イラついてなんかの石を蹴飛ばしたらなぜかそこらへん一帯がド派手に崩壊、命からがら脱出する羽目に…という見せ場はあります。が、何やらかしてんのこの人…?としか思えずもったいない。




古い映画だしドマイナーで誰も怒らないと思われるので、ここからはネタバレしていきます。




そんなエルディンの奮闘(?)の甲斐なく3つのツボ全てから悪魔が解放され、今にも地獄の門が開かれそうになってしまう。



これまで1度もまともな戦闘シーンがなく、攻撃魔法も何も使えないっぽいエルディンに立ち向かう術はあるのか!?



唯一使えるサイコキネシス的な魔法でその辺の石からゴーレム人形を作り、それで戦おうとする?も



妖精「何してるの?」

エルディン「僕にもわからない」



錯乱して奇行に走っていただけのようです。

しかし、友達のちょっとだらしない体形のドラゴンが駆けつけてきてツボの悪魔3体を瞬殺。

こやつ…デキル!

…と感心する間もなく地獄の門が開き、出てきたラスボス悪魔によってドラゴンも妖精も瞬殺!

なんというスピード感。

全く何の戦闘手段も持たない無力なエルディンはサシで強大な悪魔と対峙する羽目に。



そんなことより妖精とドラゴンの死を悲しむエルディンは


「僕の命をあげるから友達を生き返らせてくれ!」


とまさかの交渉。悪魔といえば確かにそういう存在だけども。この取引の申し出に悪魔さんはすんなり快諾。地獄から出てきたわりには意外と話の分かる奴です。律儀に妖精とドラゴンを生き返らせてくれた後、エルディンの魂を喰らう!



しかし、エルディンが「純粋な生き物」だったことで食あたりを起こしてあっさり死亡。



この結末には、どんな風呂敷でもさっさと畳む方法はあるんだということを学ばせてもらえます。戦えないのなら食われてしまえばいい。この発想の転換はなかなかできません。ところで、純粋な生き物とは一体何なのか。邪念がなく自己犠牲心の強い清らかな生き物…みたいなことらしいけど、そんなことは願い事を聞いた時点で分かるっちゃ分かるだろうに、喰ってから


「お前…もしかして純粋な生き物なのか!?」


はちょっとないよなーとか思ってしまいました。

純粋じゃない穢れた生き物で申し訳ございません。




「ミスティカル・アドベンチャー」(Amazon Prime Video)



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