今年はワーストの方でも個性的ってレベルじゃない尖り方をしている映画が色々ありました。
こっちの方は未完成でもクオリティが特別低いわけでもなく、ちゃんとまともに出来てるけど(?)個性が強すぎておかしなことになっている作品、ということでよろしくお願いいたします。
ちなみに私としてはそういう作品を探すためにあちこちディグっているのであって、本来クソ映画はその過程でぶち当たってしまっているだけというのが本当のところです。多分。
10:病院の待合室で流したい
珍作度:180
と言いつついきなりちゃんと出来てない映画を挙げてしまいました。大変申し訳ございません。とはいえ見ていてそれほど苦痛ではなかったのでワーストに入れる気にはなれなかったのです。
もはやクソ映画を通り越して野山の環境映像に近く、むしろヒーリング効果すら期待できる。人体に良い珍作ですのでぜひ寝正月のお供にどうぞと言っておきます。
9:ミイラに生き血を注入
珍作度:220
これも激安ツッコミどころ満載ながらある意味楽しめる作品です。感想記事ではクソ映画クソ映画連呼してますが面白い部類の謎映画なのでこちらへ。エジプトから盗んできたミイラにそのへんのホームレスから抜いた血を注入して生き返らせようぜ!などというふざけた企みがほほえましい。
8:腰骨クラッシャーマイケル
珍作度:250
本筋とはあまり関係ない爽やかイケオジ整体師マイケル・パレが主人公の腰を破壊するオープニングが最高に面白い珍品。セキセイインコがひどい目にあったのは許しがたいんですがね。肝心のマミーの記憶は全く残っておりません。
というかタイトルにミイラとかマミーと入ってる映画でまともなミイラが見られた試しがない気がします。サメ映画のサメより出番ないかも。
7:衝撃のピエロ虐待親父
珍作度:322
幼い子供を喜ばせるため、誕生日にピエロを呼んだ優しいダディによるまさかの変態的暴走が珍作的な意味でたまらないネオ・ジャーロ。イタリア製は配信地雷だろうが何だろうが尖ってる作品が多くていいですね。
真相とかはまあ、何十年経っても変わらないお決まりの路線なんですが。変態オヤジが犯人だったら一周回って良作だったかも。ないか。
6:ちいサメ野郎の冒険
珍作度:1480
サメ版ミクロの決死圏…と見せかけてだいぶ変なノリのゆるゆるコメディ。
説明不要のクソサメ野郎ブレット・ケリー大先生の新境地。最近いつになく調子がよく、「ロスト・ジョーズ」の頃がウソのように愉快なクソサメホームビデオを連発しています。
彼のお子さんが成長し、映画作りに関われるようになったことが功を奏しているのでしょう。まさか子供にクソサメエリート教育を施しているとはやはり只者ではない。将来が楽しみですな。
5:カニシャブ最終戦争
珍作度:8000
白い粉を吸っておかしくなった殺人カニ軍団が人類を蹂躙する!
人類よ、これがカニマゲドンだ。
こう書くと案外普通のモンスターパニックに思えますが、プラ製オモチャのカニをカタカタ動かしている映像が微笑ましすぎてだいぶ変です。ヒモは見えるわ、ポイポイ雑に放り投げるわ。これが地方都市の劇場で上映されたという事実が未だに信じられない。
4:信じる者にはサメが視える
珍作度:300億
サメが出ないサメ映画を撮らせたら世界一の男コーディ・クラークによる孤高のサメ出ない映画(3作目)。
今回は「NYの地下鉄にサメの死体があった」という変な実話からインスピレーションを得て作られた模様。
内容はほとんどアドリブで、
製作費40ドル
撮影期間3時間
という奇跡の逸品。
それでいて(「ノー・シャーク」と「インビジブル・シャーク」を楽しめた人なら)楽しめる内容になっているのがすごい。何も知らない人が観てどう思うかは正直分からんけど。
ひたすらに我が道を独走するその姿勢は賞賛せざるを得ない。
YOUTUBEで無料で観られるわりにはさほど話題になってないのが不思議。
3:変態ストーカー狂気の大爆走
珍作度:320億
惚れたヨガインストラクターに自撮りの謎映像を送りつけるサイコストーカーの歪んだ精神世界を描いた(?)謎珍作。まさかの実話ベースらしい。
意中のヨガインストラクターと元カノを項目別に比較採点し、なぜか元カノの勝ちとしたあげくにその独りバラエティビデオを送ってくる神経が独創的すぎてすごい。そのサイコぶりに胸やけを起こさないよう、わざわざ2分半も休憩をとってくれる心遣いも素晴らしい。自らの涙に溺れるような心象風景も壮絶に珍奇なインパクトで好事家にはたまらない劇物。
2:手首を伸ばすとパワーが増す
珍作度:320億1250万
手首を伸ばすとパワーが増すという謎の幻想異世界へ迷い込んだ少年少女たちの冒険を描くハートフル・ファンタジー・謎映画。
手首を伸ばすとはどういうことなのか。
単にまっすぐにしろということか?
ストレッチの大切さを説いているのか?
ヨガパワーか?
分からん。
↑一見まともなファンタジーものみたいなイメージ絵ですが、これ両陣営が一斉に素手で殴り合う直前なんですよね。正直全くわけがわかりませんが、老若男女入り乱れるあんまりな絵面のボコスカシーンで結構テンション上がってしまいました。
まあ、そこに至るまではくそつまらないんですけども。常人から見たら普通の虚無クソ映画でしかないでしょう。過度な期待は禁物です。
しかし手首伸ばしパワーといい幻想的大乱闘といい、珍作マニアなら心の変なところに深く刺さることもあるのではないかと思っています。
1:恐るべきうさぎたち
珍作度:1200億
ブエノスアイレスに巣食うチャイニーズマフィアの脅威を公務員の視点から描いた社会派の南米映画。
…のはずですが、実写とアニメを融合させようとした斬新すぎる表現技法がまずインパクト絶大。そのうえ畑を食い荒らすウサギの害獣問題までもをチャイニーズマフィア問題と融合させようとしており、その全てを強引に悪魔合体させたクライマックスがもうとんでもないことになっています。実写!マフィア!アニメ!ウサギ!
大真面目に作られているのは確かですが、笑えるとか笑えないという次元を超越した途方もない真相とその表現技法には腰を抜かすこと請け合いです。
ただ念のため言っておきますが、「裸の女」要素にはあまり期待しないように。
これは珍作中の珍作であると自信を持って言えます。
もし「今日は何だか変な物が観たいぜ!」という気分になった際は、ぜひこれらの映画のことを思い出してみてください。
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