「メリーおばさんのひつじ」 感想 モフモフのいけにえ

概要

原題:Mary Had a Little Lamb

製作:2023年イギリス

発売:アルバトロス

監督:ジェイソン・アーバー

出演:メイ・ケリー/クリスティン・アン・ニーラン/ガストン・アレクサンダー


未解決事件を扱うラジオ番組のパーソナリティ・カルラは、番組打ち切りの危機を回避するため新鮮なネタを探していた。そんな折、ワープウッズの森で行方不明者が続出しているというニュースを目にする。早速スタッフを引き連れその森へと向かうことに。だが、その森には奇怪な羊人間と暮らすメリーおばさんが棲んでいたのだ。


予告編

感想



誰でも知っている童謡を適当にホラー映画化したシリーズのひとつ。

とはいえ、大抵の人はメリーさんのひつじが何の話なのか知らないのではないかと思われます。もちろん私も全く知りません。メリーさんのひつじについて分かっているのはただひとつ「カワイイ」ということだけ。よく考えると謎に包まれた存在です。



そのせいか、アルバトロスも童謡ホラーとしてよりかはアニマル映画として売ろうとしている節があります。



「大乱闘アニマル・ホラー!」


「サメ、クマ、ヘビ、ワニ、そしてナマケモノー。映画界を席巻するアニマル・ホラーにモフモフの羊毛を纏った新たなる刺客が名乗りを上げる!」



しょうもない映画に楽しそうなキャッチコピーをつけさせたらアルバトロスの右に出る者はないですね。ナマケモノに続くアニマルホラーと言われては、もうどんなに濃厚な地雷臭がしたとしても観るしかない。



しかし、実際は羊のマスクを被った殺人鬼による悪魔のいけにえ劣化コピーでした。

ならばシープフェイスとでも言った方がいいのか…

「ラム」のアダさんみたいに本物の羊人間だったのかもしれないけど、まあどっちでもいいです。



なんせストーリーもキャラクターもペラペラのスカスカで可食部が少なすぎる。ラジオ番組のためにメリーおばさんの家でむりやり一泊させてもらおうとする主人公の図々しさぐらいしか印象に残るポイントがない。かろうじてスプラッター描写だけはそれなりといえばそれなりだけど、ルイーザ・ウォーレンのクソ映画よりはましかな程度。



終盤で悪魔のいけにえ再現シーンを連打してくるのには笑いましたが、ただなぞっているだけで何の意味もないのでそんなことをするぐらいならほんの少しでもいいからアニマル大乱闘シーンを見せてほしかった。羊人間がたった一体だけではやはり間が持たなすぎる。メリーおばさんも狂っているようでわりと話が通じなくもないし。羊人間に兄弟がいたとか、あるいは「犬人間」方式で増やしていたとか、何でもいいからあと2~3人ほど乱闘アニマル要員がいればなあ…と思いました。




「メリーおばさんのひつじ」(Amazon Prime Video)


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