概要
原題:The Beekeeper
製作:2024年アメリカ・イギリス
配給:クロックワークス
監督:デヴィッド・エアー
出演:ジェイソン・ステイサム/ジョシュ・ハッチャーソン/ジェレミー・アイアンズ/エミー・レイヴァー=ランプマン
アメリカの田舎で養蜂業を営む男クレイ。ある日、彼に唯一親切にしてくれた隣人の老婦人がフィッシング詐欺に遭い、自殺してしまう。クレイはかつて所属していた秘密組織ビーキーパーの力を使い、詐欺組織を突き止め壊滅させていく。だが、行き着いた先に待っていたのはあまりにも強大な敵だった。
予告編
感想
恩人を(間接的に)殺されたジェイソン・ステイサムが強大な詐欺組織へ単身乗り込み、ボコボコのメタクソにリベンジしていく痛快脳筋アクション映画。
いつもと同じと言えば同じですが、いつもより出来が良く非常に楽しめました。養蜂家という個性が効いているからでしょうか。世界最強の秘密組織”ビーキーパー”の元工作員、と言われてもまたそういうのか~と軽く流してしまいそうになりますが、今回はただの便利設定ってだけでなくミツバチの習性や社会性を今のアメリカ社会になぞらえているようです。
庶民から富豪や悪党に金が不当に流れていくことでこの国が不幸になっているのであり、それを正すのは養蜂家の役割というわけですね。まあ、本当に養蜂家がミツバチのそんなとこまで管理しているのかは知りませんが。そんなこと言ったら蜜を取っているのは養蜂家だろうがと言われたらアレですが。
また、王道の「舐めてた養蜂家が実は強かった」パターンかと思いきや、悪党の方は養蜂家を全く舐めていない(序盤のザコは除く)どころか相手が養蜂家と知った途端に恐れおののくのがちょっと珍しい。養蜂家を怒らせただと…?お前はもう終わりだよ、守り切れんよ…ダメ元で一応警護はするけどさあ…っていう。ゴルゴ13でよくある感じのやつ。
なので設定上は強大な悪党もそれほど強い雰囲気がなく、至極安心してステイサム無双をスカッと楽しむことができます。殺人マシンを通り越して社会の修正者。いや、あんまり楽勝すぎても張り合いがないと言えばないけど。
むしろ邪魔するやつは善人でも普通にボコられたりブチ殺される事にスリルを感じてしまう。悪党視点が多い影響もあり、モンスターパニック映画のモンスターがステイサムになってるようなノリですらある。そこにちょっとした新ジャンルの可能性を感じるほど。
一応ライバル的な雰囲気で出てきたやけに濃い荒くれゴリラ傭兵だけは強敵でしたが、
「養蜂家を倒せるとしたらあいつらしかいねえ!」
とか言いながら呼び寄せた仲間たちに何一つ見せ場がなかったのはいかがなものかと思いました。
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