「アースクエイク2025」 感想 アサイラムにも当たりはある

概要

原題:EARTHQUAKE UNDERGROUND

製作:2024年アメリカ

発売:ニューセレクト

監督:ブライアン・ノヴァク

出演:マシュー・ゲドムスク/アンジェラ・コール/ヒューストン・リーネス/ティム・ドーシー/カイラ・ブラック


アメリカの大都市をかつてない巨大地震が直撃。35階建てのアルマダビルはなんと地盤が陥没し、ビル全体が地下に沈んでしまうという途方もない事態に見舞われる。下階にいたブライアンやビルのオーナーなど生存者たちは地上を目指して階段を上るが…


予告編

感想



アサイラムの新作ディザスターパニック。


地震映画は昨年の「ショックウェーブ巨大地震」がインパクトありすぎて、今さらアサイラムの中途半端なテレビ映画を見てもなあ…。どうせいつものように政治家とか科学者チームがわけわからん造語をまくしたてるだけのやっつけ虚無クソ映画だろうな、やる気ない邦題だしな…


…とあなどって最初ながら観してたんですが、意外にもすごくちゃんとした災害映画になっていて驚きました。



巨大地震のせいで高層ビルがまるごと地下に沈んでしまうというシチュエーションが荒唐無稽ながらも新しい。生き埋めになる前に屋上へ!というと懐かしの「ポセイドン・アドベンチャー」のビル版といった趣きの設定です。



大体、「ショックウェーブ」の後に観るとしっかり揺れてるように見えるだけでも誠実な地震映画としか思えないし、そのうえCGをふんだんに使ってビルの倒壊、都市の崩壊を見せてくれるとなるともはやアカデミー視覚効果賞ものの傑作ではないかとすら思えてくる。



それだけでも充分満足なのに、生存者たちが屋上を目指す過程でビルが徐々に崩壊し鉄骨渡りを強いられるなど適切に見どころを配置している。いつもだとビルに閉じ込められた人々は何もせず座り込み、ダラダラしゃべって尺を稼ぎまくるはずなのにそれもあまりない。これが本当にアサイラムの仕事なのか。外注ではないのか。



何ならネズミの大群に襲われるアニマルパニック要素まで詰め込み、揚げ句の果てには救助に来たヘリのローターで真っ二つにされたり…などとテレビ映画にしてはかなり攻めてるスプラッターまでねじ込んでくる。今回のアサイラムはどうしてこんなにやる気があるのか本当に分からない。デヴィッド・マイケル・ラットが仮想通貨で大儲けでもしたとしか思えない。車に乗って洪水から逃げるシーンの出来もすごくイイ。



いつになくほめたくなるポイントが多い。この盛り沢山のサービス精神には正直感動しました。アサイラムなのにどうしてこんなに面白く作れたのか謎。まぐれ当たりとかじゃなくて予算とやる気の問題だと思うんですが。年度末に金が余っていたテレビ局から発注が来たとか?  



今まで観たアサイラムの純ディザスターパニック(サメ台風を除く)の中ではベスト級の出来栄え。これはアサイラムファンなら観ても損はしない作品かなと思います。どうせなら「ショックウェーブ 巨大地震」を先に見ておくと、私のように感覚が狂って著しくありがたみが増すのでオススメです。




「アースクエイク2025」(Amazon Prime Video)




追記







似たような設定の韓国映画が既にあった模様。

韓国映画はあまり見ないから気づかなかった。

やはりオチがあったか…

けどまあパクリでもいいと思うよ、元々パチモンメーカーのアサイラムなんだし。


コメント

切り裂きシンザ さんの投稿…
ほーアサイラムの当たり映画ですか、ある意味珍品映画ですねw タイトルだけみると絶対手を出したくない感じ。

それはそうとして、あけましておめでとうございます、今年も珍品映画の紹介期待しています!
岩石入道 さんの投稿…
>切り裂きシンザさん

今年もよろしくお願いいたします!
アサイラム映画で楽しめたのは一昨年のマルチバース・アルマゲドン以来かも?
まあ何だかんだ20本に1本くらいは当たりを入れてくれる会社なんですよ笑