「ファウンダーズ・デイ 殺戮選挙」 感想 利権政治を終わらせろ

概要

原題:Founders Day

製作:2023年アメリカ

配信:エクストリーム/プルーク

監督:エリック・ブルームクイスト

出演:ナオミ・グレイス/デヴィン・ドルイド/ウィリアム・ラス/エイミー・ハーグリーヴス/オリヴィア・ニッカネン


ニューイングランドの田舎町で、創立300周年記念祭と町長選挙が開催されようとしていた。現職のブレア氏に挑む対立候補者はフォークナー氏。だが、フォークナーの娘メリッサが恋人と夜道にいるところを仮面の殺人鬼に襲われ、川に落とされてしまう。その日から選挙の関係者や無関係者が次々と襲撃されるようになり、町は混沌の渦に陥っていく。


予告編

感想



昨年の9月に小規模公開されていた選挙スラッシャーホラー。

劇場で観たかったんですが、こちらではなぜかイオンシネマ江別でしか上映していなかったため泣く泣く見送ったんですよね。さすがにそこまで行くのは億劫だった。まあ車で1時間くらいの距離ではあるんですけど。



製作、公開時期的にはアメリカ大統領選を意識していたように思われますが、本作の題材になっているのは田舎の町長選。そんなに人をぶっ殺しまくってでも得たいほどの権力の座と言えるか? かなり微妙な気はします。ただ、アメリカの田舎町はその町だけで生活の全てが完結しているように見えるのも確か。そんな閉じた世界では、たかが町長とはいえどんな犠牲を払っても絶対に手に入れたい最高権力なのかもしれません。



本作の殺人鬼は現職側の人間だろうと対立候補側の人間だろうとお構いなしに殺戮していき、何ならどちらにも関係ないただのアホもついでに葬っていく。どちらかの陣営に肩入れしているわけではない模様。政治家という人種そのものを憎んでの犯行か? と思ったけど、それだと関係ないただのアホが葬られている理由が分からなくて犯人の目的が読めませんでした。



現職も対立候補も、身内に死人が出たのを一応嘆きはするものの


「これで有権者の同情が引ける!選挙で有利になれるぜ!」


とゲスムーブを隠すことなく勝利に邁進。権力を握ってうまい汁を吸いまくりたい人間の浅ましい欲望が現れていて非常に楽しいです。公共事業を同じ業者に振り続けるだけでリベートをね。いや、私も吸えるなら吸いたいんですようまい汁は。田舎の中小企業の端でカス汁を啜って何とか生きているだけの人生からそろそろ脱却したいんですよ。まあ人前で話すのが苦手っていうだけで権力とは無縁の人生になるんですけどね。



何やかんやあって密室でふたりきりになった現職と対立候補が


「お前はクソだ!もう利権政治は終わりなんだよ!」

「クソはテメーだろうが!地獄に落ちろや!」


と醜悪さフルスロットルの言い争いを繰り広げ、そこに殺人鬼が勢いよく乱入してくるカオスな絵面は、好事家的にはなかなかたまらないものがありました。欲にまみれた政治家ってマジでカスだよね!ザクザクぶっ殺してあげないとね!っていうストレートなメッセージがこれ以上なく伝わってきて何よりでした。




「ファウンダーズ・デイ 殺戮選挙」(Amazon Prime Video)


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