「ブラッディ・ヘル」 感想 ヘルシンキ手動のこぎり晩餐会

概要

原題:Bloody Hell

製作:2020年オーストラリア

配信:The Horror Collective

監督:アリスター・グリアソン

出演:ベン・オトゥール/メグ・フレイザー/キャロライン・クレイグ


元軍人のレックスは銀行で強盗団に出くわし、強盗団全員を返り討ちにする。だが正当防衛が認められず、8年間服役する羽目に。出所後はやかましいマスコミから逃れるため、何となくでフィンランドのヘルシンキへ移住する。だが、空港で出会った異様な夫婦に拉致され、気が付いたら右足を切断された状態で地下に吊るされていた…


予告編

感想



アマプラを掘り返していたら発見したオーストラリア産ホラーコメディ。

おそらく今月から配信開始の作品で、レンタル200円。

監督は「サンクタム」の人。



田舎に行ったら…ではなくフィンランドに行ったらやばい食人鬼一家に捕まってどえらい目に!という、ロケーションを除けばそれなりによくある流れの導入ですが、主人公は若者グループではなくたったひとりの元軍人。さらに、捕まって気が付いた時にはもう既に右足を雑に切断されている!という恐ろしくハードで絶望的な状況。そんなところからどうやって生還しろというのか。



シリアスにやればとても怖いホラーになりそうですが、本作はそんな内容でもコメディタッチになっているのでわりと気楽に眺めていられます。たったひとり異国の地で途方もなくひどい目に遭っていても、常にイマジナリー分身がそばにいるので会話の相手には事欠かない。



ただ、導入部のドライブ感は良いのに吊るされてからは延々とその状態が続くのでやや中だるみしている感はあります。そんな中食人鬼一家の正体が徐々に分かってくる展開もスリリングでいいんだけど、ただでさえ雑な自動翻訳字幕のうえにフィンランド語は埋め込み英語字幕しか表示してくれないのがちょっと厳しい。食人鬼一家の交わす会話がよくわからない。



とはいえ、溜めに溜めた分だけクライマックスでのハジケぶりは気持ちいい。片足もげてるのに、凶悪な人喰い大家族と胸のすくような血みどろの殺し合いを拝ませてもらえます。ネイルガンをバスバス撃ち込む爽快感は格別だし、満を持して現れたラスボスのヤバさとそれに立ち向かうための武器のチョイスが素晴らしい。ホラーファンは観て損なしの良作と言えます。




「ブラッディ・ヘル」(Amazon Prime Video)




コメント