概要
原題:Oameni de treaba
製作:2022年ルーマニア・ブルガリア
配給:カルチュアルライフ
監督:パウル・ネゴエスク
出演:ユリアン・ポステルニク/ヴァシレ・ムラル/アンゲル・ダミアン/クリナ・セムチウク/ニワトリ
ルーマニア・モルドヴァ地方にある寒村の警官イリエは、仕事をまじめにやる気がなく、果樹園でも買ってのんびり過ごしたいと思っていた。そんなある日、平和だったはずの村で残忍な殺人事件が起こる。部下の新米警官は血気に逸るが、イリエはその事件を深追いすべきではないとわかっていた…
予告編
感想
内容はさておき、ニワトリを前面に出したビジュアルと邦題だけで観に行くことを決めていたルーマニアのサスペンス映画。
鶏映画なら楽しみ pic.twitter.com/nyCMsJC5jx
— 岩石入道 (@ganseki20) October 27, 2024
#にわとりの日
— 映画『おんどりの鳴く前に』𝟭.𝟮𝟰㊎全国順次公開【公式】 (@Ondori_movie) October 28, 2024
◤人間は等しく、愚か◢#おんどりの鳴く前に
𝟮𝟬𝟮𝟱.𝟬𝟭.𝟮𝟰㊎公開🐓🐓🐓 pic.twitter.com/dbe6uHarPg
人間は愚かなものです
特にお前
…みたいな顔のニワトリが実にかわいい。
都会の方では1/24から上映開始でしたが、こちらではシアターキノというミニシアターにて3/1から3/7までと短期間なうえに1日1回というかなり限定的な公開規模。結構観客はいましたけどね。30人以上いたんじゃないかな。
ほんで内容はともかくニワトリの方なんですが、あくまで何かのメタファー的な傍観者として本筋の合間合間に映ってくるだけであって、ストーリー自体には何も関わってはこない感じでした。冒頭のトラックから落ちる場面やラストシーンなどはかなり印象的ですが、それ以外の出番はそんなに多くはなく、ニワトリ目当てでわざわざ観に行くのはちょっと微妙かなと思います。まあそんな奴が私以外にいるのかどうか知りませんけども。
とはいえ、それ抜きでも非常に楽しめる作品でした(最近ろくでもない映画ばかり観ていたからっていうのもあり)。前半は田舎村でだらだら警官をやってるイリエがアパートを売って果樹園を買うだの何だの悩んだり、やる気満々の新米警官にろくな指導をしなかったりと地味な話ばかりで、欧州映画にありがちな極めて淡々としたムードが眠気を誘います。
そんな中殺人事件が起きるわけですが、犯人は早々に判ってしまう。あとはイリエがその醜悪な現実に立ち向かうのか、それとも長いものに巻かれて見て見ぬふりを決め込むのか。その辺の葛藤が実に丁寧にねっとりと描かれています。
まあそうは言っても地味で淡々としてることに変わりはなく、このまま大きな動きはなくぬるりと終わってモヤモヤさせられるんだろうか?…と心配しながら時折画面に映るニワトリを脳内でモフモフしていたんですが、クライマックスには予想外に激しい殺し合いが用意されていました。散々タメを効かされた分だけカタルシスも大きく感じます。そこに至るまでの流れは静かでも熱いヤケクソ感があり、また殺し合いと言っても全員が戦闘に不慣れなためやけにたどたどしく、残酷でありながら間が抜けているという独特の味わい。考えてみれば当たり前だが、世の中カッコよく戦える人など滅多にいない。それはそれで最高にエキサイティングで良かったです。話の流れだけで言えば悲壮感しかないのに劇場では笑いがポツポツ。結局おんどりが何のメタファーだったのかよく分からないのでこの作品を理解し切れたとは言えませんが、終わりよければ全てよしと満足して帰れました。
関連記事:「クライ・マッチョ」
↑ニワトリを見るために劇場へ行った映画その1。
コメント
いまのアカウントのアイコンが鶏だからという、これまた自分も変わった理由ながら観に行こうとしていたのですが…大人しくレンタルや配信を待ちます。
どうもお久しぶりです。まさか鶏のために観に行こうとしていた人が他にもいたとは笑
しかしそちらではやっている劇場自体がないんですね。北海道よりはありそうな気がしてましたが、こっちはまだ恵まれている方だったのか…