「ブラックアウト・レイジ」 感想 怒りの停電

概要

原題:Outlaw's Buckle

製作:2022年アメリカ

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:ブレット・ベントマン

出演:トム・ハラム/レイチェル・G・ウィットル/アンディー・ジョー・アラスミス/ウィーレン・ガヴィット/ティファニー・マクドナルド


嵐の夜、新人保安官補のロリンズは露出狂の囚人とふたりきりで過ごしていた。すると、そこに女性の保安官補アダムスが凶悪な連続殺人犯を連れてやってくる。アダムスは別の場所へ殺人犯を護送中だったが、嵐のためこの刑務所で一晩過ごしたいという。仕方なく滞在を許可したロリンズだったが、停電のせいで監房の施錠が解除されてしまい…


本編

感想



観終わってから気づいた「ディープ・インパクト2022」のブレット・ベントマン監督・脚本によるサイコ・?・サスペンス。



最近SNSでは「映画を酷評してはいけない」とか、「酷評してもいいけど言葉を選べ」とか、もう何回目だか分からない論争がまた起きています。それを見ていて思うのは、映画というのはクオリティに関わらず作り手の情熱が込められた尊いものであるという性善説に基づいた考え方ではないかということです。



彼らにとって配信サブスクのラインナップ水増しのために粗製乱造された手抜きクソ映画などまるで眼中になく、存在さえ認識していないと考えられます。ある意味酷評よりもひどい扱い。



まあ確かに、そんなの観る必要ないといえばないんですけどね。しかし私も最初から貶すために謎映画を見ているわけではなく、そんな有象無象の中にもたまにはアタリがあるのでわざわざ有料レンタルしているのです。



…が、残念ながら本作の場合はどこにも文句のつけようがないスカでした。



まず、どこの田舎かよくわかりませんが刑務所内に新人保安官補と囚人のふたりきりというのはいくらなんでも少人数すぎるのではないか。まあそこはスルーできるとしても、そこに凶悪な連続殺人犯を連れて嵐から避難してきたのが女性の保安官補ひとりだけというのはさすがに看過しがたい。



さらに、上に報告もせず避難してきただけの刑務所に一泊しようとするのはいくらなんでもおかしい。そのうえ、監房に入れたとはいえ連続殺人犯に手錠もしていないのはいかがなものか。しかも停電しただけですぐ開錠されるし。そんなザルな刑務所初めて見た。殺人犯が逃げても応援も呼ばない報告もしないどころかのんびり身の上話を始めて尺を稼ぐ保安官補たちも異様におかしい。



このツッコミどころの嵐はクソ映画特有のテキトーさから来るものなのか、それとも保安官補が実はニセモノだからなのか、何とも判断に迷う展開です。ニセモノだとしても、もう少しそれっぽく振舞えよと言いたくなるので結局どっちにしてもおかしいんですがね。ネズミに向かって銃乱射してますしね。



という感じで観ていて非常に虚しいタイプのクソ映画なんですが、一応しょうもないどんでん返しに次ぐどんでん返しがあることはあるので、まだ少しはましな方ではあったと思います。




「ブラックアウト・レイジ」(Amazon Prime Video)




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