概要
原題:Smile 2
製作:2024年アメリカ
配信:Viacom
監督:パーカー・フィン
出演:ナオミ・スコット/ローズマリー・デウィット/ルーカス・ゲイジ/マイルズ・グティエレス・ライリー/レイ・ニコルソン
ポップスターのスカイ・ライリーは交通事故と薬物依存症から立ち直り、新たなワールドツアーを控えていた。だが、知人が目の前で笑いながら凄惨な自殺を遂げる場面に遭遇する。それからというもの、ライリーに不気味な笑顔を向ける者が現れ始め、恐ろしい幻覚を視るようになっていく。
予告編
感想
「笑顔」を恐怖の源として描き大ヒットしたホラー映画「スマイル」の続編。
なぜか日本では今回も配信スルー。
前作以上に劇場公開すべき案件だったと思いますが…
やってること自体は前作とあまり変わりがなく、スマイル・エンティティとかいう呪いを移された主人公スカイが恐ろしい幻覚に苛まれていき、ついには…という話。
なので何が起こっても「どうせ幻覚なんでしょ?」「どうせ助からないんでしょ?」「どうせまたあのダサいクリーチャーが出てくるんでしょう?」と先読みできてしまい、どこか冷めた気持ちになってしまう感覚は否めない。しかも127分とホラー映画にしては異常な長尺。
どうもね、怪奇現象を知覚できるのが主人公ひとりで、そのせいで周囲にキ〇扱いされる展開は好きになれないんですよ。スピーチを頼まれて壇上に上がったのにカンペが出ないくだりのいたたまれなさはキツすぎて正視できない。
しかし予算が増えたこともあり映像表現は全てが前作より格段にパワーアップ。幻覚とはいえ恐怖演出の切れ味は鋭い。そして色々となんだかオシャレ。観る者に強烈な印象を残すシーンが多く、ホラー映画として個人的な好みを超越した高い質感がありました。
主演のナオミ・スコットという人がやたら熱い演技を魅せてくれたのも非常にポイント高いですね。迫りくる怪異に怯えて腰を抜かして泣き叫ぶ、顔から色んな汁を出しまくる、ヤケクソになってブチ切れる、現実でも歌って踊って何やかんや周囲に当たり散らかして大暴れ。このテンションの高さだけでも充分面白い。この人、この映画一本で相当なカロリーを消費したんじゃないでしょうか。
前述のスピーチ失敗シーンもただ「いたたまれないだけ」「恥をかいただけ」で終わるのではなく、何の罪もないおばあさんを無駄に暴力的にぶっ飛ばすことで「やらかした」感を強めており、何となくスッキリさせてくれました。スカイが凶暴なおかげで前作よりもストレスが少なくて済むというわけです。色々気を使ってくれていますね。
まあ、怖いかと言われると別に怖くはないんですが。クライマックスの出来も前作を激しく上回っており、クリーチャーのビジュアルもだいぶましになっているものの、怖さよりは胸糞感が先立つ。中盤のスマイル軍団は完全に笑いを取りにきてますしね。しいて言えば家の中にいつの間にかクソで汚れた見知らぬブリーフが落ちているシーンが一番怖かったんじゃないかと思います。
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