「ドラキュラ・スクワッド」 感想 新解釈・ドラキュラ中国拳法

概要

原題:Wrath of Dracula

製作:2023年イギリス

配信:トランスワールドアソシエイツ

監督:スティーブ・ローソン

出演:ハナジ・バン・ベンツ/マーク・トッピング/アイヴィアナ・スノー/マルタ・スヴェテク/ジャスミン・サムナー


トランシルバニアへ出張中の夫をロンドンで待っていたミナ。だが、夫はドラキュラ城に幽閉されているという手紙が届く。ミナは夫を救出するため、単身トランシルバニアへ乗り込む。そこで吸血鬼ハンターのヴァン・ヘルシング教授と出会い、中国拳法の本をもらって独自に修業を始めるが。


予告編

感想



「ミイラ 復活」のスティーブ・ローソン監督による、ブリティッシュ・ネオクラシックホラー第2弾(?)。

U-NEXT399円で鑑賞。



どうでもいいけど出演者の名前が「ハナジ・バン・ベンツ」とか「マーク・トッピング」とか妙にインパクトが強くて気になります。


さらにどうでもいいけど本作の煽り文句も何かおかしくて、






吸血鬼を倒しに来たのになんで吸血鬼ハンターと対峙するのか?

仲間割れするというネタバレなのか?

それとも吸血鬼ハンターと一緒に吸血鬼と対峙するという意味でしょうか。日本語って難しい。

ついでに言うと拳銃も使ってなかったと思うんですよ。

これは煽り文句つけた人が中身を見てない疑惑が浮上してきましたね。



まあ別に見てなくてもいいんですが、ストーリー自体は英国淑女が囚われた旦那を救出するためにヴァン・ヘルシングと組んで吸血鬼に立ち向かう…というそこそこ真っ当と言えば真っ当なものとなっております。



ただ、明らかに著しく変なところがひとつだけあるんですよね。主役の英国淑女はピアノと裁縫しか習ったことがないというだけあって戦闘能力皆無で、吸血鬼を倒すためにヘルシング教授から武術を仕込まれることになります。



…といっても、教授は中国武術の本をポンと渡すだけで何の解説も手ほどきもしてくれない。英国淑女は当然中国語など読めるはずもなく、ヒゲのおじさんがダンスしてるようにしか見えない挿絵のみを頼りに独力で中国武術を修業するというえらく珍作度の高い展開と映像を拝むことができます。中国拳法っぽいような全然そうでもないようなゆるゆるパンチを打ちまくる英国淑女。なかなかに微笑ましい光景です。



しかし実戦においてはそこそこ素早いしゃがみ回転足払いとか上段回し蹴りなどを惜しげもなく繰り出してくれるので、スティーブ・ローソンの映画としては過去最高にイケてるアクションであるとは思います。スタイリッシュ串刺しからのパンチで杭打ちもなかなかいい動き。吸血鬼に中国拳法で立ち向かうというこの作品ならではの個性が存分に活かされていて(珍作マニア的に)すごくいい。



エンドクレジットに今どき珍しくNGシーン集を入れてくれてるのも興味深い。英国製謎映画の撮影風景など見た事がありませんでしたからね。レールに取り付けたカメラなど意外と本格的な機材に加え、真面目にアクション指導している監督らしき人の姿を確認できました。意外とちゃんとやってるんだなあ。音楽もえらく壮大な雰囲気だったし、もしかして本国では劇場公開したのかもしれません。




「ドラキュラ・スクワッド」(Amazon Prime Video)



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